産業用ロボットのティーチングとは？ティーチングの概要や種類|株式会社OTECH

ティーチングは産業用ロボットに動作を教え込む作業

産業用ロボットを導入したものの、うまく使いこなせないと悩むケースは多いです。実はロボットを動かすには細かな指示を与えて、作業の条件、順番、姿勢などの動作を覚えさせる必要があります。この作業がティーチングであり、教示作業とも呼ばれます。

ティーチングは専門的な知識・技術が求められるため、資格保有者に依頼することになります。

ティーチングの種類

ティーチングの種類は大きく4つに分類され、ロボットの役割に応じて適用されます。

・オフラインティーチング

産業用ロボットに実行させたい動作をPC上でプログラミングし、そのデータをロボットに転送して動作をティーチングする方法です。生産ラインを停止したり、工場に出向いて作業したりする必要がありません。動作確認で問題がなければ、即座にロボットを稼働できます。

オフラインティーチングは、さらにエミュレータ型、シミュレータ型、テキスト型、自動ティーチングシステムに細分化できます。例えば、ロボット言語を直接読み込ませるエミュレータ型は、精密作業を行うロボットにも教示できます。多くの企業で採用されており、最もスタンダードな教示方法といえます。

また、自動ティーチングシステムはCADデータを参考に、自動的に動作プログラムを作成できます。ただし、プログラミングの難易度が非常に高いため、現場ではあまり使用されていません。

その他、テキストエディタを用いて動作プログラムを直接打ち込むテキスト型、3次元CADを応用したシミュレータ型があります。

・オンラインティーチング

ティーチングペンダントと呼ばれるリモコンを駆使し、ロボットに作業を教えていきます。実際にロボットを動かし、動作確認を記録しながら作業を進める点が特徴です。記録した動作の再生・確認ができるため、不具合があった場合も即座に対応できます。

一方、生産ラインを停止してからティーチング作業に入らなければなりません。作業時間を要する場合がある点も押さえておきましょう。

・ダイレクトティーチング

直接現場でロボットを動かして動作を覚え込ませる方法です。オンラインティーチングよりも精密に動きを教示できるため、アームロボットなど、指先の動きが繊細なロボットのティーチングでよく用いられます。ただし、正確に伝えるのがかなり難しい点には注意が必要です。

・AIを活用したティーチングレス

ティーチングで必要なトライ＆エラーの工程にAIを活用して自動学習させ、なるべく人の手をかけずに導入を進める方法です。近年のIT技術の進歩とともに、新しいティーチング方法として注目されています。初めに実際の動作を記憶させますが、その後はAIに任せるため、生産ラインの停止時間を短縮でき、コストカットも期待できるでしょう。

産業用ロボットを工場内に導入し、生産ラインの効率化を図るには目的やニーズ、作業内容などに応じたティーチング作業を実施することが重要です。

株式会社OTECHでは、プログラム構築から設置業務まで一貫した作業に対応可能です。産業用ロボットの導入やティーチングに関することなら、お気軽にご相談ください。